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参加記 - BCN ITジュニア賞 2020表彰式 U-16 プログラミングコンテスト 優勝者デモンストレーション

各地で行われている U-16 プログラミングコンテスト (一部地域は U-15 としているようです) の各優勝者が一同に会して表彰を受ける式にご招待をいただきましたので,参加して参りました.

www.bcnretail.com

そもそも U-16 プログラミングコンテストとは何か,ということにも触れておきますと,IT ジュニア育成交流協会の説明にはこうあります.

パソコンが好きな子どもたちをほめ称える場をつくろう――2011年、北海道旭川市の有志たちがU-16プログラミングコンテストを立ち上げました。高校や高専でプログラミングを学ぶ子どもたちが小・中学生たちを教えることでともに成長し、それを「子どもたちの未来をつくる」という志をもつ大人たちが支えるという素晴らしい仕組みをもつこのコンテストは、またIT人材の育成、産業の育成、雇用の創出などを通して開催地域のSDGs達成に向けた大きな潮流を生み出します。

発祥の地は北海道旭川市で,立ち上げに関わった旭川の中心人物は自分が習った高校の先生やエンジニアの方です.立ち上がったときに自分はすでに対象年齢を超えていたので大会には出ていませんが,初回から様々な形で大会に関わらせていただいています.例えば,後輩や前任校の教え子を連れて大会に参加させること,コンテストに向けての出張授業や講習を担当すること,当日の実況をすること...... と縁も深いのでこの度はご招待をいただいたという流れです.

www.procon-asahikawa.org

U-16 プログラミングコンテストには「競技部門」と「作品部門」の 2 部門で展開しており,地区によってはどちらかのみというところも少なくありません.これは,各地で大会を運営する方々の思いをルールや形式で縛ることなく「地域でコンピューターを使って何かを生み出せる子を育てるため」という目標を達成するための自由度を保つため,やるやらないということに関しては縛りを設けていません.
 
各地の取り組みについては記事がいろいろと上がっていますので,ごく一部にはなってしまいますが紹介いたします.

kodamanbou0424.hatenablog.com

bitstar.jp

fukuno.jig.jp

といろいろ貼りましたが IT ジュニア育成交流協会のページを見ると,各地での様子がだいたいみられるのでそちらでもよいと思います.

www.ajitep.org

ちなみに 2019 年の段階で開催されている地区は以下のとおりです.

競技部門

競技部門で使用しているプラットフォームの大元は,全国情報技術教育研究会が行っているプログラミングコンテストで 2008 年より使用されている CHaser (チェイサー) です.こちらを旭川で使用させてほしいと,お願いをしてスタートしたのが旭川の U-16 プロコンです.高校プロコンの方は仕様が進化していって,複雑にもなっているようですが,こちらは昔ながらのシンプルな構成のみで続けています.

www.zenjouken.com

スポーツ同様で技術要素が高ければもちろん勝ち上がりやすいのですが,対戦型であるため運要素も絡みます.これがプログラミングをわからない人にも受け入れていただけているポイントだと認識しています.(野球もサッカーもロボコンもその辺があるから,専門知識がなくとも何となくルールを把握しやすいのではないかと思っています)
 
動いている様子について,札幌の池田さんが撮ってあげてくれていましたので,こちらに甘えます.

www.youtube.com

簡単な仕様は,こちらも札幌の八巻さんがスライドにまとめてくれていましたので,こちらも甘えます.

www.slideshare.net

ゲームを行うために必要な通信部は関数やメソッドにまとめられていて,小中学生など初めてテキストでのプログラミングに取り組む子たちでも,すぐに動く仕組みになっています.自分は Python のライブラリを作る機会があり,札幌ほかで使用されているようです.ソースは Bitbucket に上げてありますので,適宜メンテナンスするなり,全く別のものを作るなりしてみてください.

bitbucket.org

最初の高校プロコンのときに提供されていたのは Java のみでしたが,後に C や C#HSPRubyPython,Scratch,Perl ...... と大人が教える都合や自分たちがやりたくなった余りに,たくさんの言語で取り組めるように資産が揃ってきています.(しかし,それを一元管理することもしていないので,自力でなんとか集めるほかありません.コード書ける人は自作してもいいんじゃないかな!?)
 
サーバーとクライアントの間で行われる通信の仕様はさすがに競技部門全体で統一です.そのため,どの地域でどの言語で勝ち上がってきたとしても,同じ競技で対戦することができます.しかし,レギュレーションは地方ごとに見直しをかけて加点減点などの運用はバラバラだったりします.
 
http://www.procon-asahikawa.org/files/2014_U16_information%20collection.pdf
↑↑ p.p. 14-15 に通信の仕様があります.簡単な TCP/IP なので練習問題にもいいかもしれません.
 
内容はこんなところですが,ポイントは高校生や高専生など学生が教える側に立ってプログラミングをみんなで学習するというところです.これを「旭川モデル」と名付けてくださって,各地で取り入れていただいているようです.もちろん,地区によっては大人中心のところもありますし,愛知大会に関しては実行委員長も学生でした.地域地域の事情や文化を盛り込んだ体制になっているということかと思います.

作品部門

onsd.hatenablog.com

www.ajitep.org

これらをご覧になると Unity とか IchigoJam とか RaspberryPi じゃなきゃダメなのかなぁと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,ここも地域任せです.旭川に関しては「パソコンを使って作ったものは何でも OK 」と方針が変更されて,ついにはイラストやパソコンを使用して書かれた小説までもが OK になりました.山梨に関してはかなり作りこまれた Swift2 アプリなんかも出てきて,他とは違う空気感でした.

www.ajitep.org

www.ajitep.org

我が富良野勢はハードウェアメイカーを育てるつもりで電子工作系を結構やったので,Arduino を使ったライントレースカーが出てきました (うれしい).

表彰式の様子

競技部門の優勝者同士でデモンストレーションを行うということになったようで,詳細は当日知らされたのですが釧路高専の寺地くんが頑張っていたので,横からサポートをしました.おぼつかない手つきでマウスを操作するぼくを横目に,楽しそうな優勝者たちが見られたので,がんばりが報われたような気がします.

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プレ全国大会的な雰囲気を醸し出す優勝者たち

東京で企業家の方々と同じ舞台で表彰される機会なんてなかったなぁと自分の学生時代を振り返る...... でも,本人たちはそんなことより,同じ世代の力溢れる人たちと交流できたことが一番うれしかったのかな,と近くにいて感じました.
 
なかなか日本全国一同に会してお話するなんてできないけれど,SNS その他でつながってこれからも技術に真摯に向き合っていってほしいと思います.将来が楽しみです(一方で追い抜かされるのはいつだろうかと自分の心配も......?💦 ← すでに追い抜かされている可能性が極めて高いことには触れない🙈