積極的にメモっていく姿勢

題名詐欺。更新頻度の低さが売り。

知が動く場づくりー物理的環境と仮想的環境の相互作用ー(妹尾,2004)を読んで

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【みじかい感想】

みじかい感想 = 余白部に収まるくらいに短く書いた感想

みじかい感想

コミュニケーションのきっかけを適度に提供することで知を表現する機械を増やしていく.情報を直接結びつく状況よりも,人と結びつく状況をつくることでより深い理解につながる,余計な情報にアクセスさせることが大切.

【おおと思ったところ引用集】

おおと思ったところ引用集 = 読んでいてテンションがあがって赤線を引いたところ

赤線を引いたところ

(p.522)

新たな知識は,暗黙知形式知に,形式知暗黙知に,と互いに成り変ることによって生成される。知識創造のプロセスは共同化(socialization),表出化(externalization),連結化(combination),内面化(internalization)という4つのモードを経る
 
知識創造プロセスの促進要因として指摘されている「場づくり」とは,知識が出現するための文脈(時間,場所,他者との関係性,状況)を創設すること

(p.523)

場のマネジメントは,場の生成(場の設定および場の創発)と,場のプロセスのマネジメント(場のかじ取り)であるとする整理のしかたもある

(p.524)

他人と自分を最初は見比べてほしいんです。見比べることによって違いを見つけてほしいと。
 
オープンに他人を見ることによって,違いを悟る。その次に自分の存在感をどうする,という話になって,それを普通に見直してくれば,結局は個性化になる。今度は個性化になったときの個性,その人をどうやって使うか。これがその次のマネジメント。

(p.525)

「30点主義」という言葉を使い,未完成でもとにかく掲載させて,徐々に充実させていくように指導した。
 
集合研修などはコストがかかるので特に行わず,仲間同士で教えあって作成することを奨励した。
 
充実させるためには,見て,褒める,ことに留意した。
 
この4人机は真っ直ぐに並んでいたので,斜めに並べることにした。狙いは人の動きの同線を複雑にして,多くの人が触れ合う機会を生むことにあった。

(p.526)

自分で席を選ぶということは,自分で隣人を選ぶということである。隣人を選ぶためには,その日の自分の課題が明確になっている必要がある。

(p.527)

事前に転入先の同僚や仕事内容に関する情報収集ができるので,転入にまつわるストレスが軽減される。
 
移動の自由度を高めたことで,対話や交流が容易になり,オフィスのそこかしこで場が創設されるようになったと考えられる。
 
無駄話が増えると,場を活性化する要素の4.冗長性が高まるのではないだろうか。

(p.528)

「コンテンツ検索は直接内容にヒットするから,誰がつくったものかを利用者に意識させないんですね。こうすると,いいものを作ろうというインセンティブが働かない。

【最後にだらだらとした感想】

人が生み出したモノに注目しすぎるが余り,人さえもモノ扱いしてしまう例の枚挙に暇がない.行き過ぎた効率化は毎秒変化する人のようなものについて対応しきれないことを端的に表しているように思う.利便性を追求すればするほど人が邪魔になっていく.その人の経験や熱意など揺らぎのあるものは,安定した生産を支えない.同じモノの大量生産であれば必要なかったかもしれないけれど.
 
たくさんの牛乳を生産するためには,牛にストレスをかけないことが大事.人以上に投資した牛舎や環境が必要になる.知的財産を生産するのは人なので,人にストレスをかけないことが大事.フリーアドレスだといって,コミュニケーション量の増加や資料のアクセス性を無視して,設備面の節約一辺倒で推し進めるのは,かえって人のストレスを高めて,生産性は落ちそうだなぁというのは肌感覚としてわかってしまう.
 
勉強会で生かせることと言えば,発表中は集中したいのでスクール形式は置いておいたとして,話のネタになるような情報提供や刺激の仕組みをつくることくらいかなと思った.そう考えると,今までの勉強会でもやってた自己紹介タイムとかおやつタイムみたいな時間は効果アリと考えて間違いなさそう.思いついたのは,発表する人とか参加する人の SlideShare とかブログとかが事前にわかると,どんな人となりなのかとかわかるからよさそう.あとは,自分は私物の電源タップを会場に張り巡らせるので,その一つ一つに OSS のステッカーなんかを貼って,話のきっかけにしてもらうとか.電源タップなんかは労力ゼロでできるからすぐやろう.

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