積極的にメモっていく姿勢

題名詐欺。更新頻度の低さが売り。

カンファレンス筋 is 何

いまは札幌にいて毎年恒例の合宿をしています.今年の合宿は id:nullpobug さんが 2 泊 3 日で 5 食全部作ってくれる最高の環境で,ひたすら進捗を産む会になっています(ごはんが出てくるので進捗を産まないといけないという圧がかかってよい).
 
id:noko1024 の YPAC::Kyoto2023 振り返りブログ(音声)を夜中 23:00 から撮り始める会に巻き込まれて,いろいろ喋りました.ブログを文字で書くのがしんどい人は,音声で積極的に記録していくのはいいかもしれません.思考も文字優勢の人と,音優勢の人がいるような話も聞きますし,どちらかのみが優れるということもないでしょう.

noko1024.hatenablog.jp

音声状況が悪いのは,合宿中に急に録ろうと思い立ったからです.これぞ合宿.しかも,いまから Podcast 録ります!!という感じですらなく,後述するぼくのポジショントーク説法を聞いていた id:nullpobug さんから「その話も録っておいてよ.Whisper API 使って文字起こしもしたいし」と言われて,途中から録音を始めたものです.一応,台本に沿ってスタートっぽい箇所を作って,ぬるっと Podcast っぽくするように心がけて走りました.

はじめてのカンファレンスとどう向き合うか

id:noko1024 と喋っていて感じたのは,始めてのカンファレンス参加で,どうカンファレンスを満喫したらいいのかって,わからんよなということです.Podcast の中でも触れていますが「やればいいじゃん.そんなの.」で片付けられてしまうようなことでありながら,一方で運営がそんな扱いをしていたら楽しんでくれる人が一生増えないので,丁寧にも接したいところ.というのが難しいなという感想を持ちました.運営労力を考えるとそんなところまで手が回らないよね,というのもわかるし,どうしたらええんやという気持ちも湧いてきます.
 
この収録の前に 1-2 時間くらい 2 人で話をしています.簡単な流れが書いてある台本的なものを作って,その流れを守りながらアドリブで録る感じで進めました.Podcast の中でも少しだけ出てきていますが,この台本を巡って「他力本願すぎるという気持ちが湧いてくる」という正直な感想を述べています.しかし,カンファレンスとか勉強会を主催しがちな立場であり,年上である自分のポジショントークのはじまりになってしまうわけですから,注意深く感想を話すようにしました.
 
断っておきますが,彼は別に会自体が物足りなかったというつもりはないと言っています.満喫できなかった事実だけを並べたら,その書き方の問題で自分が甘えを感じ取ってしまったという流れです.実際,カンファレンス運営の経験がないと,この難しさに心底共感できるわけでもないし,しかたがないと思っています.
 
せっかくなので,このポジショントーク説法で出たけれど Podcast に入らなかった話を一つ書いておきます.
 

アーティストによるライブの一体感と何が違うか

途中「人が多い環境でどうしたらいいか分からず,戸惑った」という話が出ました.そこで「普段から大量に人のいるライブにも行くのに?」と問いました.これにより,人が多いということが本質ではなさそうだということがわかりました.次に,どう戸惑ったのかを深掘りしました.そうすると「自分の知っている勉強会の流れと,違う進み方をした」ことが戸惑いの原因らしいということがわかってきました.これは,Podcast の中でも触れられていたと思います.
 
慣れている,慣れていないの話もありますが,ここではそれを放置して,ライブとカンファレンスの会のデザインの違いについて着目して話をします.これは Podcast では省いたはず.
 
ライブは全体の流れがアーティストによって提供されて,その中で観衆として会を盛り上げる振る舞いを求められるのに対して,カンファレンス——特に "廊下" が活発なカンファレンス——は全体の流れを自分で決めて,その中で参加者として会を満喫する振る舞いをしていく必要があり,準備されているコンテンツを自分の力で掴んで会をデザインしないといけません.主催側が作る部分が多い会か,自分で作る部分が多い会かの差という感じでしょうか.実際,ことカンファレンスに関しては,ライブと同様な全体の一体感が湧き起こるのはセッション内の話で,それはカンファレンスの一部なわけです.
 

カンファレンス筋って元々あるんですか?

そこで "カンファレンス筋" を思い出しました.てきとうに Google 検索したところ,2 件のブログがヒットしました.
 
tsubalog.hatenablog.com

beatsync.net

この感じだと,どこかのカンファレンスで発表された資料くらい出てきそうなものですが,そこまで探していません.
 
みなさんの言うカンファレンス筋というのは,一体何のことなんでしょうか.自分もよくわかってませんが,ここの言語化に挑戦している文献を知りたいです.きっとあると思うのですが,どう探したらいいのやら......
 
そこで,自分が思うカンファレンス筋を鍛える方法を書いてみます.
 

  • [筋トレ] 疑問に思ったことはセッションの枠内で積極的に質問する
    • [しっかりストレッチ] セッション内質問できなかったとしても,せめて廊下で話しかけて質問していく
    • [かんたんストレッチ] カンファレンスで会った人にその思いを共有してみる
    • [30 秒ストレッチ] Twitter など公開の SNS や公開のブログ等で疑問質問をハッシュタグ付きで投稿する
    • [5 秒ストレッチ] カンファレンス外で会った友人などに話してみる
  • [筋トレ] 廊下や懇親会で話したことのない人とカンファレンスの感想戦など交流する
    • [しっかりストレッチ] Twitter などの公開の SNS や公開のブログ等で知らない人と感想などを肴に交流する
    • [かんたんストレッチ] 廊下や懇親会で話したことのある人とカンファレンスの感想などを肴に交流する
    • [30 秒ストレッチ] Twitter などの公開の SNS や公開のブログ等で知っている人と感想などを肴に交流する
    • [5 秒ストレッチ] 交流こそしないが,感想などを公開の SNS や公開のブログ等に公開する
  • [筋トレ] セッションや懇親会等で知った技術を触ってみる
    • [しっかりストレッチ] セッションや懇親会等で知った技術について調べてまとめてみる
    • [かんたんストレッチ] セッションや懇親会等で知った技術について調べてみる
    • [30 秒ストレッチ] セッションや懇親会等で知った技術について誰かに気になったことを訊いてみる
    • [5 秒ストレッチ] セッションや懇親会等で知った技術についてメモしておく

みたいなことかなと思っています.多分もっといろいろありますよね(しかもこの段階が正しいかどうかも要検討).

カンファレンスを運営しないけどカンファレンスが好きな人は何ができるか

いずれにせよ,カンファレンスを満喫する技術はもっと言語化して,あるいは言語化されたものが使われるような場所に置いておいて,こうしたことを知りたい人が知ることのできるような環境づくりが必要かなと感じています.それがカンファレンス運営側の気持ちのわかる人のできる,カンファレンス運営以外の貢献のひとつかなとも思っています.
 
ただひとつ添えておきたいのは,おんぶに抱っこのお客様姿勢の人に労力を過剰に割くだけの体力は,ほとんどの人に残っていないということは書いておきます.運営する人は運営に体力を使って欲しいので,参加する側のみなさんからのアプローチを引き出せるような努力を,カンファレンスが好きな人たちがやっていくのがいいでのしょうね.

アイキャッチ用写真

元写真 : https://30d.jp/yapcjapan/5/photo/470

YAPC::Kyoto2023 のブース前で談笑する様子
カンファレンスはセッションだけではない

参考記事(合宿)

tokibito.hatenablog.com